自分の殻を割り、相手を元気づけたK君

K君は年少の頃は、声が小さくて、なかなかおしゃべりをしてくれない、体操も踊ってくれない、自己発揮が少し難しい感じでした。

年長になったそのK君の凄まじい成長を肌で感じたシーンをご紹介します。

同じクラスの花子さん(仮称)は雑穀ご飯が苦手です。食べるのに時間がかかります。先日の給食に雑穀米が出て、ごちそうさま5分前と言うと花子さんは涙が出てしまいました。

先生、食べられない

大丈夫だよ、あと5分あるから、だから頑張って

と、保育者。

それでも、お箸が持てず、今日も完食は難しいかなと見ていました。

すると、K君が花子さんのところへやって来ました。花子さんの肩をそっと叩いて

まだごちそうさまではないから大丈夫、もっと食べてみて。

 それでも、花子さんは、

無理

K君は

あー、せっかく僕が声かけたのに・・・・

みたいな表情をしていました。

すると、K君は、ポケットからタオルを取り出しました。

花子ちゃん、こっちを見て。

そのタオルは青い星の柄が描かれていて、その裏生地は黄色の星の柄でした。

花子ちゃん、こっちの青のは、夜の星。

そしてすぐさま、ヒョイッと裏返して、

そして、こっちは朝の星。

すると、花子さんもツボにはまったのか、クスッと笑いだしました。

K君、

ほら、もうこれで大丈夫だよ、頑張って食べられるよ。

案の定、花子さんは雑穀米を食べだして、時間内ギリギリで食べ終わりました。

ほら、花子ちゃん、食べられたね。

と、拍手を送りながら花子さんに声かけしていました。

その一部始終を見ていた保育者も

K君のおかげだよ、どうもありがとう

と、K君へお礼を告げました。

その出来事のきっかけからでしょうか。翌日からK君は朝の会での歌も大きな声で歌うようになり、積極的にお友達に話しかけるようになりました。

心を開いて周りの仲間を元気づけるK君、素敵です。K君の成長を心底嬉しく思います。

K君、どうもありがとう。

目次
閉じる